民主マニフェストに目立つ矛盾 消費税トーンダウン(産経新聞)

 民主党の参院選マニフェスト(政権公約)を検討する政府と党の「マニフェスト企画委員会」は14日、平成23年度予算編成について、22年度の新規国債発行額(44兆3千億円)以下に抑制することなどを確認した。菅直人副総理・財務相が唱える財政再建路線を容認した形だが、消費税については13日の「増税明記」から「消費税を含む抜本的な税制改革」と一転してトーンダウン。方針が定まらないまま、昨年の衆院選マニフェストに続いて再び“危うい財源論”が露呈した。(山田智章)

 同企画委は14日も、前日に引き続き財政健全化のほか、子ども手当や農家の戸別所得補償など主要政策について協議した。

 23年度以降、次期衆院選までの予算編成については「本年度の新規国債発行額を上回らないことをベースにし、歳出の削減、マニフェスト項目を検討しつつ結論を出す」との見解で一致した。

 これは菅氏が12日の政府・民主首脳会議で、23年度当初予算の新規国債発行額を、22年度以下に抑えるよう提示したことを踏まえた結果で、「当面の参院選よりも財政規律を重視」したともいえる。

 だが、14日の企画委では、消費税増税について「次期総選挙後に抜本的な税制改革を実施」することで合意。13日の同委の会合後、細野豪志副幹事長が「次の総選挙後の消費税増税はしっかり明記する」とした方針からわずか一夜での大幅な後退となった。

 その背景には、党内から消費税増税明記に対する反発や、「消費税」が突出して参院選で争点化することへの懸念がある。

 「消費税は22%になるよ。ギリシャよりも1%多くね。民主党政権内に消費税上げろという閣僚がいるご時勢だから」。執行部の中にすら、ギリシャの財政破(は)綻(たん)に絡めて増税を訴える菅氏を皮肉る声が上がっている。

 マニフェスト議論は、国債発行では財政規律重視、消費税では選挙重視と、財政論で「アクセルとブレーキを同時に踏む」という事態に陥っている。

 矛盾はこれだけにとどまらない。目玉政策だったはずの子ども手当については、財政状況によっては衆院選公約の「子供1人あたり2万6千円支給」の減額もあり得るとの方針を確認。その一方で、農家への戸別所得補償は「23年度からの本格実施を目指す」との認識で一致し、骨格維持を打ち出した。危機的な財政の中で歳出削減に努力する方針も掲げているものの、党内には衆院選マニフェストの大幅な修正には慎重意見も根強いのだ。

 マニフェスト策定作業は、仙谷由人国家戦略担当相と高嶋良充筆頭副幹事長が共同委員長を務める企画委が、20日までに鳩山由紀夫首相や小沢一郎幹事長らで構成する「政権公約会議」に公約原案を提出する予定だ。このままだと民主党は、財源の手当てもなく実現性の薄い見かけ倒しのマニフェストを再び国民に示すことになる。

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